先だって、以前いた職場で働いていた、デザイナーの女性が会社を去ることになり、その送別会が開かれた。
彼女は私の影響で、ワイン好きとなり、それが高じてなんとワイン・アドバイザーの資格まで取ってしまった。
すでに師匠をはるかに越えてしまったのである。今回の会は楽しみではあるが、怖くもあった。
まあいい。楽しめればいいのだから。
ということで、まず1本目。
オレゴン・ピノ・ノアールの2002年を頼んだ。
アメリカ・オレゴン州では優秀なピノを産出する。もちろんフランスのものとは、大きく違うけれど、お味は!!
まず感じられるのは、アメリカのワインにある、深い樽香。シダー系の香りが印象的だ。続いてピノ独特の果実系の香りがやってくる。アメリカンチェリーにも似た味わいもある。
だが、ここまで。奥の深さを感じるような味わいはなく。ワインの温度が上がると、だれた感じになる。
このワイン、やや低めの温度がよいようだ。そういう意味では、この店は温度管理がしっかりしていると思う。

いきなり変化球から入ってしまったので、今度は直球で勝負。
サヴィニ=レ=ボーヌの1級を頼んだ。1998年のワインなので、それなりに熟成も進んでいるだろう。
グラスにそそぐと、先ほどのオレゴンと比較すると、ややピンクがかった透き通った色。いくらかオレンジがかっており、やはり熟成が進んでいるのか?
ひとくち口に入れると。あきらかに違う果実味、深い余韻。開けたばかりでは、若干のカビくささを感じる。
それにしても同じピノでも、どうしてこんなに違うのだろうか?
しばらくするとかびくささも消え、濃厚な果実の甘みが増してきた。
同じブルゴーニュでも、コート・ド・ドールの力強いワインに対して、ボーヌのワインはより果実味が強く繊細である。
そして、瞬く間に2本目を終わる。実質飲んでいるメンバーは3人だけだからすごい。

そして3本目。
ここでまた、本来なら選ばない選択をしてみた。赤を飲み続けた後に、白を頼もうというのである。
ただし、なみの白ではだめ。完全にまけてしまう。
実はみんなより早く到着し、ワインリストをじっくり眺めていたので、それなりに秘策があったのだ。
頼んだのはムルソー・ぺリエール。
白ワインでも、ピュリニ=モンラシェやムルソーなら、十分赤のあとに飲めるはずだ。
ワインアドバイザーの主役の助言で、デカンタージュしてもらうことに。
グラスに注がれたワインは、まさしく黄金色。
シャルドネ種のブドウを使った白ワインが、大抵辛口ですっきりした味になるのに対して、ピュリニ=モンラシェやムルソーの1級以上のワインは、濃厚でこくのあるワインになる。
口に含むと、洋ナシや蜂蜜、バターといった味わいがして、これが同じ白ワインとは考えられない。
予想通り、その前の赤ワインにぜんぜん負けていない。
それにしても偉大なワインだ。
ぺリエールはムルソーの1級でも、もっとも優秀な畑とされるが、さすがにそれだけのことはある。
みんなで、うまいうまいといいながら、あっという間に開いてしまった。
さてその次は‥
もう飲みすぎた、今日はこのへんでおしまい。