今年もあっという間に年末がやってきた。
年とともにその速度は増加して、怖いぐらいである。
年末になにを書こうかと思っていたが、先日図書館で、あるCDを借りてきて、あまりに印象深かったので、このことを書くことにする。
借りてきたのは、モーツァルト 交響曲第40番、41番 カール・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏だ。
昔カール・ベームという偉大なオーストリアの指揮者がいた。すでに亡くなって26年も経つのだが、私がクラシック音楽に目覚めたころ、まだこの指揮者は存命だった。いや、バリバリに現役であった。
何度も日本に来日して、当時NHKFMで生放送で演奏があったりしたけれど、とうとう生の演奏を聴くことなく、亡くなられてしまった。私にとってクラシック音楽に目覚めさせてくれた、偉大な指揮者なのである。
指揮振りはというと、老齢のためかタクトの先がわずかに動くだけであったが、眼光するどく名だたるウィーンフィル面々の演奏をびしっと締めていた。
前置きが長くなってしまった。それからうん十年、ベームの指揮したものを聞くことはほとんどなかった。
たまたま図書館で見つけて、何気なく聞き始めたのだが、ショックだった。そしてうん十年前のあのころを急速に思い出してきた。
あいかわらずテンポのゆったりした、曲の運びである。ただリズムが正確なことは恐ろしいくらいで、それこそどんな音でも出せるウィーンフィルが、正確無比な音を出すことだけを心がけている。そのためか、楽器と楽器が織り成す音の綾が見事だ。
第41番ジュピターは、モーツァルトの曲が比較的軽快な音楽が多いのに対して、重厚でどっしりした作りである。
ベームの指揮で聞くと、第4楽章のフィナーレの壮大なこと、バロック建築の教会の天井を眺めているようである。
なんだかまたベームを聞きたくなってしまった。年明け早々にも新しいCDでも探しに行こう。
それではみなさんよいお年を!!